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「チ。」というアニメの解説動画に

出てきたことがきっかけで読んだ作品。


いきなり原本を読むのはレベルが高そうだったから

解説書的なものを読んんでみた。


スピノザは「知性改善論」「神学政治論」

など哲学史に残る名著を著し近世哲学の

一つの潮流を生み出した17世紀の哲学者。


スピノザの哲学は現代思想にも巨大な影響を

与え続け、人間の行為や感情・知性・社会の

あり方にも深い洞察をもたらすものとして

今も多くの人々注目を集め続けているそう。


そんなスピノザが晩年、自らの哲学的な

営為の集大成として世に問おうとしたのが

「エチカ」という作品。


「エチカ(Ethica)」はラテン語で「倫理学」

という意味。

「人はどのように生きればよいか」を問う一冊。


読み始めてまず印象に残ったのがこの言葉。

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「賢者」というと文字通り賢い人というイメージを

しがちだけどそうじゃないんだなあと。


孔子も「知之者不如好之者、好之者不如樂之者」


あることの知識がある人はあることを好きな

には敵わず、あることを好きな人はあることを

楽しむ人には敵わない。


という言葉を残してるようにやっぱり

楽しむことは大事なんだと実感。

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あと考えさせられたのがこの言葉。

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昔読んだ『イモータル』という古代インド哲学を

基にした作品にも同じようなことが書かれてた

からめちゃくちゃ驚いた。

イモータル⤵️

イモータル (中公文庫 は 66-2)
萩 耿介
中央公論新社
2014-11-21



古代インド哲学では「梵我一如」

という教えがあって


全体であるブラフマン(梵)と

個々であるアートマン(我)が

同一であるという意味。


めちゃくちゃ簡単な例を挙げると

食器は個々に存在するけどその原料は土だから

食器(我)と土(梵)は同一である…みたいな。


古代インド最大の哲人

ヤージュニャヴァルキヤは


「アートマンは認識の主体であり

決して対象にはなりえない」


つまり個々は認識としてのみ存在していて

把握することも表現することもできないもの

と説いてるんだけど、


なんかめちゃくちゃ似てない!?


哲学の本を読んでると割と

こういうことあってびっくりする。


国や時代が違っても同じような考え方

が生まれるってなんかすごいなあ。


改めて哲学の奥深さを実感した一冊でした!