「チ。」というアニメの解説動画に
出てきたことがきっかけで読んだ作品。
いきなり原本を読むのはレベルが高そうだったから
解説書的なものを読んんでみた。
スピノザは「知性改善論」「神学政治論」
など哲学史に残る名著を著し近世哲学の
一つの潮流を生み出した17世紀の哲学者。
スピノザの哲学は現代思想にも巨大な影響を
与え続け、人間の行為や感情・知性・社会の
あり方にも深い洞察をもたらすものとして
今も多くの人々注目を集め続けているそう。
そんなスピノザが晩年、自らの哲学的な
営為の集大成として世に問おうとしたのが
「エチカ」という作品。
「エチカ(Ethica)」はラテン語で「倫理学」
という意味。
「人はどのように生きればよいか」を問う一冊。
読み始めてまず印象に残ったのがこの言葉。
「賢者」というと文字通り賢い人というイメージを
しがちだけどそうじゃないんだなあと。
孔子も「知之者不如好之者、好之者不如樂之者」
あることの知識がある人はあることを好きな人
には敵わず、あることを好きな人はあることを
楽しむ人には敵わない。
という言葉を残してるようにやっぱり
楽しむことは大事なんだと実感。
あと考えさせられたのがこの言葉。
昔読んだ『イモータル』という古代インド哲学を
基にした作品にも同じようなことが書かれてた
からめちゃくちゃ驚いた。
イモータル⤵️
古代インド哲学では「梵我一如」
という教えがあって
全体であるブラフマン(梵)と
個々であるアートマン(我)が
同一であるという意味。
めちゃくちゃ簡単な例を挙げると
食器は個々に存在するけどその原料は土だから
食器(我)と土(梵)は同一である…みたいな。
古代インド最大の哲人
ヤージュニャヴァルキヤは
「アートマンは認識の主体であり
決して対象にはなりえない」
つまり個々は認識としてのみ存在していて
把握することも表現することもできないもの
と説いてるんだけど、
なんかめちゃくちゃ似てない!?
哲学の本を読んでると割と
こういうことあってびっくりする。
国や時代が違っても同じような考え方
が生まれるってなんかすごいなあ。
改めて哲学の奥深さを実感した一冊でした!
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