Audibleで読了。
話題になっててずっと気になってた作品。
※以下ネタバレあり
前半は架のヘタレぶりに
正直イライラしてしまった。
アユに見切りをつけられた
過去があるにも関わらず、
真美との結婚に踏み切れない
それどころか真美に捨てられる可能性を
1ミリも考えてないところが鈍感というか
無神経というか…
真美も真美でTHE・女が嫌いな女
という感じ。
特に母親との関係性には嫌悪感しかない。
母親に違和感を感じながらも受け身な
真美の態度には辟易した。
就活のくだりも読んでてもやもや。
面接で堂々第一志望ではない発言をして
それを「素直」で済まされる空気感に鳥肌立った。
昔読んだ『インストール』という小説に
『媚の武器としての不器用は軽い笑いを誘う可愛いものだけれど、本当の不器用は、愛嬌がなく、みじめに泥臭く、見ている方の人間をぎゅっと真面目にさせるから』
という一節があったけどまさしくそんな感じ。
でもこんな風に心が揺さぶられるのは、
少なからず私自身にも身に覚えのある部分が
あるからなんだろうと思う。
自己評価が低い故の自己愛の強さ
自分の価値観でしか物事を測れない傲慢さ
それらは誰もがもっていて
だからこそこの小説に心を抉られた人は多い
んじゃないかと。
傲慢だからこそ善良にもなれるし
その逆も然り。
大事なのはそれを自覚することなんだなあと
改めて気付かされた一冊でした!
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