
今日は祖母の話です。
祖母は今年で94歳になります。5年ほど前から認知症で問題行動も多く、家族で協力し合いながら自宅で介護をしてきました。
しかし、3回目の圧迫骨折を期に施設に入ってもらうことに。叔母(父の妹)の近くがいいだろうということで、県内ではありますが少し遠くの施設になります。
祖母とは小さい頃から一緒に暮らしていたのですが(進学時を除いて)、正直そこまで仲が良い方ではありませんでした。理由は色々ありますが、相性の問題が大きかったように思います。かといって喧嘩をするような間柄でもなく、淡々と同居生活を送っていました。
私はそんな祖母との関係性を、少しコンプレックスに感じていました。「おばあちゃん大好き!」というような方を見る度に「そう思えない私は冷たいのかな」と後ろめたく感じていたように思います。そんな思いを抱えたまま、この日を迎えることになりました。
施設に行く前に叔母の家に寄り、みんなでご飯を食べました。それからまだ時間があったので、少し昼寝をすることに。小さくなった姿を眺めていると、祖母が「膝、膝」といって私の膝の上に頭を乗せてきました。所謂、膝枕の形です。
私はとてもびっくりしてしまいました。認知症が進んでいるとはいえ、祖母がそんなことをするとは思えなかったからです。言い方は悪いですが、少しプライドが高いタイプで、そこも苦手な理由のひとつでした。
膝で眠る祖母は子供のようで、なんというか、母性のようなものが湧き上がってくるのを感じました。祖母は12人兄弟の末っ子で、兄弟も全員亡くなっているので、本当はずっと甘えたかったのかなあと思ったりもしました。
その後祖母を施設に送り、帰り際に「元気でね」と声を掛けました。祖母が元気で、楽しい毎日を送ってほしいと、心からそう思える自分がいました。ずっとコンプレックスに感じていた祖母との関係性を、受け容れることができた瞬間だったのかなあと思います。
もっと仲良くできたかもしれない、もっと祖母孝行すればよかった…そんな後悔がないかといえば嘘になります。しかし、私は私なりに、祖母との関係を築いてこれたのかなあと少しだけ誇らしい気持ちになりました。
ももの家⤵️
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